股関節の後方関節包のセルフストレッチの方法を説明します。

まず、後方関節包について

関節を包んでいる組織を関節包といいます。(皮膚のことではありません。関節組織のすぐ外側にあり、あくまで体内です。)

股関節は人体の中でも特に大きな関節であり、その股関節の関節包は重要な役割を持っています。

関節包の役割とは

外部衝撃から関節を守ります。
また、関節包の内側は滑膜と呼ばれ、ここからぬるぬるした滑液が分泌されます。

この滑液が、関節運動を行ううえでの摩擦を減らします。骨と骨、骨と筋肉の摩擦を減らし、滑らかな関節運動の補助をしています。

関節包が固くなってしまうと?

本来 関節包は柔軟性に富むものですが、運動不足や加齢によりこの組織も固くなってしまいます。

そうなってしまうと、その関節包の上を走行する筋肉の収縮の妨げになってしまいます。
筋肉の収縮がスムーズにできなくなるということは、正しい関節運動ができなくなり、痛みや障害の原因となることを意味しています。

股関節の後方関節包は、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)の動きに関わってきます。

股関節は立つ、歩く、走ると人間の動きに常に関わる重要な関節です。後方関節包もしっかりとストレッチして、柔軟性に富んだ良好な状態を保つ必要があります。

股関節の後方関節包のストレッチ方法 手順

左側の股関節後方関節包をストレッチする場合の方法です。

  1. 左右の脚を伸ばし、長座の姿勢で座ります。
  2. ストレッチする側の膝(下図:左膝)を曲げ、曲げた膝を腕(下図:右腕)で抱え、反対側の肩(下図:右肩)の方向に向かって、膝が胸に着く位まで強く引き寄せてください。この時、腰を落として曲げない様に注意してください。腰は常に真っ直ぐにした状態を保持してください。
  3. 股関節後方関節包のストレッチ1

  4. 曲げた膝を、反対側の肩の方向に引き寄せた状態を保持したままで、お尻を左右に5~7回振り動かしてください。(下図)
    脚を変え、反対側の股関節の後ろ側の関節包も同様にストレッチしてください。これを、左右とも5~7回繰り返し行ってください。
  5. 股関節後方関節包のストレッチ2

  6. エクササイズの間、できるかぎり腰を真っ直ぐに伸ばした状態でストレッチを行ってください。